昔、宇宙という名の少年が
何もない空間に 寝そべっていた
私はその少年の耳に両手をあてて
こっそりと内緒話をするように
小さな声で囁いた
「私、これから〇〇したいのよ」
「いいんじゃない」と少年は応える
そんな夢が、夢物語ではなかったのだと
知った今年の夏
2023/8/13
遠く、遠くで雷鳴
「もうすぐ行く。」
と、かすかなメッセージが 読み取れる
表を閉めて、窓も閉めて
心の扉だけを 開いて待つ
やがて
雷が、大粒の雨を伴って
私のところにやってきた
ああ、雷神
私の願いを
あの時の私の願いを 覚えていてくれたんだね
「叶えてやろう。
ただし、行動するのはお前自身だ。」
雷神は、なかなかに厳しいことを言う
苦笑いが漏れる
知っていることは できることとは関係がない
知識をしこたま溜め込んで
動けなくなるぐらいなら
知識を捨てて、身軽になって
かるがると 飛び越えていこう
雷神は、希望を示してくれたのだ
私を生きるのは、あくまで
私自身
2023/8/13