私は、自分が書いた詩を読むのが好きだ。
なぜなら
私の詩は、私だけのために書かれたものだから。
自分で書いておきながら、できた詩は「書かれたもの」。
読み返すたびに
そのことを思う。
そこには、巧いとか拙いとかの
比較が入り込む余地はない
(客観的に稚拙であることは問題ではない。)
何を意味するか、という問いさえ発生しない。
言葉の字面も音の響きも
私の中でしか意味を持たないから。
私以外の他の誰にも理解し得ない
絵と音の世界が
そこには、ある。
なのに、なぜ
私は、それらの詩を自分のものにだけしておかないのだろう?
他の人に見てもらいたいのだろう?
たぶん・・・
自分は何一つ所有できないから。
周囲こそが自分だと思っているから。
ここがうまく言えなくて
いつも口ごもる。
それを表現したくて
詩を書いているのだと、思う。